島で映画を観たいわけ。
まだ先の話なんですが、10月27日、金曜日の夜に伯方島で映画の上映会をします!
「人生フルーツ」というドキュメンタリー映画で、ナレーションは樹木希林さんです。
上映館数が少ないながら話題になった作品ですし、個人的にこの映画の予告編は100回くらい観ているんですが、決してシネマコンプレックスで上映するタイプの映画ではないので、島に住んでいるとなかなか観れません。
だったら、自主上映会という形でみんなで一緒に観るのはどうでしょう?という事で、このイベントを企画しました。
私も未見の映画なので本当に楽しみです!チケット代そこそこなんですが、映画配給会社への支払い分とスクリーンの準備なんかで消えてゆくお金です。次回からは、うまいことお金を引っ張って来れればと思うんですが、今回はとりあえず1200円で。
予告編だけで「これはゼッタイいい!」って確信持てるので、自信を持っておススメします。(説得力ないねぇ~)
ところで、
昔、この島には4館(?)も映画館があったとか。今じゃ、どこに!?どこにあったの!!???みたいな雰囲気ですが・・・。島のじいちゃんやばあちゃんが小さい頃、若い頃には映画が身近にあったんだろうな〜。いいな〜。
私の世代じゃ、小さい頃からイオンとか駅ビルとかの大型商業施設の中のシネコンばっかりで、昔の映画館のオールナイトとか、2本同時上映とか、そんな話が憧れだったりするんですよね。
3Dとか4DXみたいな、がしゃーん!ずしゃーん!みたいなド派手映画も結構好きで楽しいんですが、そればかりじゃあな~っていう気持ち。
うちは、父親が昔から映画大好きマンで、
「いや~やっぱりアメリカンニューシネマだね。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』!」みたいな事言うカッコつけなので、
小学生のときには、渋谷のユーロスペースに連れて行ってもらったこともありました。
(もうサブカル系になるしかないカルマを背負わされている小学生の私・・・)
家族3人で観にいったのは
「埋もれ木」とか「バーバー吉野」です。埼玉の田舎からの渋谷は遠かったナ・・・。
でも、どちらも大人になって見返して心がホクホクする映画でした。
今でも「バーバー吉野」は荻上直子監督作品の中で一番好きな映画です。
これは超どうでもいいのですが、ジャック・ブラックの「ナチョ・リブレ 覆面の神様」も家族3人で観ました。下品でくだらない映画だったという記憶しかないけど、これをチョイスして映画館に行くとは、おかしな家です。ジブリを見ろジブリを。
母とは2人で井筒監督のトーク付きの「パッチギ!」も観にいったりしてます。(訳も分からず連れて行かれて、エッチなシーンで寝てるふりするほど気まずい思いをさせられたのに、横で井筒監督の一挙一動に大爆笑している母の意味がわからなかった当時。今なら分かる。)
これも、大学生になってからもう一度観ました。
だいたい、あの頃はイムジン川の意味がわからなかったですからね・・・
大学に入ってからは、「誰も知らない」「そして父になる」などで有名な是枝裕和監督の大ファンになってしまって、京都の三条にある映画館での「海よりもまだ深く」のティーチインに参加しました。ご本人に直接質問ができたことは、今でも思い出して震える感動の瞬間のひとつです。あの大人の佇まいが忘れられないや・・・。本当、是枝さんの良さを話し出すと止まらないので、さっさと引き上げますけど、未だに一番尊敬する人です。
初期の作品に「ワンダフルライフ」という映画があって、これが本当に良いもんだから父に「こんないい映画監督がいるんだぞ?知らんだろ??」と自慢したら、父はこの映画を公開当時に映画館で観ていたことが発覚して、1時間くらい映画の話をしたこともありました。
私の思い出の中では、今まで見聞きしてきたアートや、本や、音楽よりも、映画が一番色鮮やかかもしれません。
こうやって家族の思い出をたどると、映画から学んだことや、映画から興味を持ったものが沢山あるな~と感じます。
映画館でいろんな人と同じ空間と時間を共にするというのはすごく面白いことです。いい映画を観たあとに漂うあの空気で地球をくるんだら、きっといい世界になると思うね!
だから、島には映画館がないけれど、来る10月27日には、ずっと忘れないような映画体験ができる場が作れればいいなと考えています。うまくいったら、今後も継続した映画会にしたいという気持ちを込めて「vol.1」にしていますから!(笑)
「自分の好きなことで、誰かが楽しんでくれたら最高!」と思うことを、色々実践できる場所にいれるという今は、ラッキーなことだと思います。
映画会に協力してくださるという地域の方にも、感謝の気持ちしかありません。
成功するといいな~とニヤニヤ妄想しながら、準備を進めてまいります。