〈アートワークショップ〉野菜ハンコでハンカチづくり
こんにちは。
暑い日が続きます。
先週の火曜日の夜、灼熱の体育館でバドミントンをしたところ、翌朝どんよりと気分が悪く、異常なほどの発汗とともに目覚め、仕事中もクラクラするわ生あくびがとまらないわで、軽い熱中症っぽくなってしまいました。
慌ててポカリスエットをゴクゴク飲んで、回復したものの、ダイエットや体力づくりどころかこんな目に逢ってしまうなら、夏のスポーツも考えものだなとおもってしまいました。大事にはならなかったけども。
みなさんも、くれぐれも気をつけてくださいませ。
さて、8月4日は絶賛展覧会会期中の大三島美術館で、子供向けのアートワークショップをしてきました。
ずばり!
「かんたん版画でおもしろデザイン~自分だけのアートハンカチを作ろう!」
というイベントです。
野菜ハンコはありがちだけど、洗濯しても落ちない絵の具でちょっとしたテキスタイルデザインになっちゃうというのは新しくていいでしょ?(何キャラ?)
地元のボランティアさんがくださった旬の野菜は、虫食いがあったり、形がぐにゃーんとなってたり、最高の造形!
子どもの自由な発想でいい作品が沢山できました。
ワークショップタイトルがアートなのかデザインなのか分からない点はさておき、こどもの作品は、頭の中にきっちりとした完成イメージがあるデザイナー派ととにかく色んな形を試しながら完成させたいアーティスト派に分かれていて面白いなと思いました。
この前のポスターのときは、同世代の子達がうなりながら作品を作っていたので、次の野菜を押すために走っている子どもたちを見て、ホッとしたというかなんというか。教えてる側も楽しめたワークショップになりました!^^
〈夏休みの宿題ポスター〉のジレンマ
こどもたちの夏休みがはじまり、波方町なみっこ交流館で、毎年恒例となりつつある「夏休み宿題ポスター」の制作指導をやらせていただきました。
毎日、図工だけだったらいいのに・・・と嘆いていた私が唯一嫌いだったポスター課題。
中学の時にはポスターばかり作らせる先生に生意気を言って、栄光の〈5〉しかとったことが無かった美術ではじめて〈3〉を与えられてしまいました。(いまだにムカムカしてくる!)
そんなポスター苦手な私が、美大出身というだけで偉そうにこどもたちに教えていいものだろうか・・・と悩みながらも、最後まで根気強く作品を仕上げた子どもたちには「よくがんばりました!」の100点満点をあげたい気持ちです。
「先生・・・何かいたらいいか分からん」
「先生・・・次は何色塗ったらいいん?」
と不安げだった子どもたちが、
「みてみて!こんなキレイな色になった!」
「絵の具まぜたら海の色になった!」
とか話しながら筆をすべらせていくのは、嬉しいというかなんというか。
それと同時に「もう終わり?塗るとこない~」「えええええ・・・もうやだダルい~」「帰りたい・・・」と完成までの苦悩にぶちあたる子どもたちもほとんどで、ここまで頑張ってできるのがただの宿題ポスターかよ~と残念に思いました。
私が小学生の頃から変わらぬポスター課題といえば、「年金ポスター」「明るい選挙ポスター」「交通安全ポスター」「人権ポスター」「環境保全ポスター」etc・・・
普段の生活の中で、子どもたちのアンテナに触れることの無い完全なる大人のエゴ的なテーマの数々がそもそも嫌いで、まずポスターっていうものがどういうものかも理解していない低学年の子とか、授業でまだ絵の具使ったことが無い子とかに、「家で描いて来なさい」って宿題にするセンス、はっきり言って「は????」って感じです。
全科目にいえるけど、惰性で宿題を出す義務教育のナンセンス、変えていかないと悪影響すぎます。本当に。
まずそもそも、ポスターというものを課題にするのは賛成。
ポスターの基本はデザインです。キャッチコピーがあり、誰かに情報を届けたいという目的があるからポスターなのです。
私も専門ではないので、大きいことは言えないけど、何かデザインをするとき、そのデザインをする対象についてよくよく調べて、実際に見たり聞いたり触ったり体験したりしてから始めるはず。
「選挙」を体験したことがない、というか、したくてもその権利のない子どもに『投票に行こう』と言わせるちんぷんかんぷん具合にはへきえきします。
具体的な提案をするならば「あなたの町」とか「お気に入りのお店・場所」を紹介しましょう!みたいなポスターはどうですか???子どもたちがリアルに感じている魅力や伝えたい気持ちをキャッチコピーや絵を使って表現するなら、親や先生たちも宿題を見るのが楽しみになると思うんだけどな。
例えば!「伯方名物塩ラーメン」のポスターを描くことになったとします。自分で食べに行ったり、お店の人にこだわりを聞いたり、どんな人に知って欲しいかを考えたりする、
そうした情報をB3の画用紙にどうやってまとめるかって、めっちゃ難しいけど、めっちゃ意義がありまくりじゃないですか。
ていうかポスターってそういうものだから!
ちょうど先日、「わたしのマチオモイ帖」という絵はがきコンクールに応募しましたが、全国のクリエイターからまち自慢絵はがきを募り、その中からゆうちょのカレンダーが選ばれるという内容でした。
それの子ども版をなぜやらないのよ!!!!???
ここで小ネタ。
ポスター入選作品あるある
・地球と手
・投票箱と虹
・輪になって手をつなぐ人
・怪しい錠剤から湧き出る謎の怪物
小ネタおわり。
内心はそう思いながらも、せっかくこの日を目がけてポスターを作りに来てくれる子がいるんだし、自分のできることを教えてあげよう!とチャンネル切り替え。
「テーマの意味が分からん」から始まるポスター作りをどうやって指導すればいいのか分からないので、私なりに一所懸命に塗り方や、画面の構成、配色などのアドバイスをしました。
3度の飯の次に絵が好きだった私ですら嫌いだった宿題ポスターを誰が愛してくれるのよ・・・
それでも、頑張って完成させたポスターを大事そうに持ち帰る子どもたちのうしろ姿はかわいくて、また機会をいただけたらポスターの先生したいな!って思いました。というか8月16日に2回目のポスターあります(笑)なみっこ交流館でまだ受付してると思うので、お子さんの宿題を確実に終わらせたい!親御さんは問い合わせてみてくださいね。
ポスターのことボロカス言ってますけど、「横顔ってどう描くの?」「車ってどう描くの?」「標語はどうしたらいいの?」という質問には着実にお答えできますし、「あー!しんどい!」と投げ出しそうになる子を「ちょちょちょちょ!」とうまいこと引き戻すこともできますよ^^
こんな宿題でも(トゲすごい)、子どもが楽しく取り組んでくれれば嬉しいな~
瀬戸内の夏、水軍レース
この7月の豪雨災害で、今治島嶼部の夏のビッグイベントが次々に中止になっている中、何故か絶賛開催予定の「宮窪 水軍レース」・・・
「夏は納涼に力を入れて冬眠する予定なので・・・」と一度お断りしたものの、やはりこんな珍しい大会に出場するチャンスはないかもしれないと思い直して、参加を決めました。
かつて瀬戸内海を席巻していた村上水軍(村上海賊)が使ってた船(?)に模した木造の船に12人で乗り込み、まさかの立ちこぎでレースをします。(ザ・中腰!)
これが本当に大変で、全身全霊でオールを振るってもたいして進んだ感触がない!っていう絶望感で、だれかが、「水溶き片栗粉を掻いているみたい」って言ったのがまさにぴったりの表現。練習のあと、車のハンドルを握る手がプルって橋を渡って伯方島に帰れるのか不安になるほどです。
でも景色は最高です。向こうには能島と伯方島が見えるし、灯台のほうで釣りをしている人がシルエットになってオシャレ。
この前の練習なんか、地元中学生男子のチームと一緒になったんですが、始まる前に港から「わー!」って言いながら飛び込んで、西日でキラキラする海を気持ちよさそうに泳いでました。なんて青春なんだ!
映画みたいで素敵だ~~
てなわけで7月29日、今治市宮窪町(大島)にて水軍レース開幕です。
レース終了後、船の上で討ち死にした猛者と見まがう私の顔を見たい人はぜひ冷やかしに来てくださいー(^^)<だ れ が い く か
地域おこし協力隊ミーティングってどんな?
私が着任した当初、今治市の地域おこし協力隊は10人の同期と、8人の先輩隊員というすごい大所帯だったわけなのですが、全員揃うのは年に2回ぐらいで、お互いの活動を全然知らないことが結構ありました。
てゆうか、同じ今治市なのに関前諸島とかプライベートで1回行っただけで、お互いの地域のことも知らないんです・・・。こんな特殊な立場の私たち同士でお互いちゃんと知り合ってないのに、今治全体で地域活性とかなくない???とか思ってしまったりしまわなかったりごにょごにょ・・・
てわけなんで!
7月の頭の話を今更する形で失礼いたします。
初、協力隊ミーティング@伯方島!しましたーーー(パチパチパチ〜)
(表情暗っ!)
(この画だけだとお通夜か?と聞きたくなる・・・)
思いつきで伯方島でやるぞー!って言ったら、みなさん集まってくださって、地域振興課の担当のお二人まで来てくださいました。
そして会場は、私の大好きな鎮守の杜をお借りしました。ひぇーい!
4月〜6月の活動報告から始まり、イベントでの協力隊ブース出店の話など(はかた夏まつり中止になってしまいましたが・・・)、1時間半では到底語りきれないって感じでした。
なのでお昼は私のお気に入りのお好み焼きを食べに伯方島の「風」で話の続き!
どうでもいいんですけど、
「風(ふう)」の関西に、チーズとネギのせのトッピングをするのが好きでたまらないんですけど、チーズがふわトロの生地内部にめちゃくちゃ入ってるのでいつも胸やけします。でも超美味しいのでおすすめです。
ネギは「のせ」がフレッシュなネギ好きとしてはぐっと来ます。(お好み焼きの話が長い)
でも、本当、世は大SNS時代なれど、やらない人はやらないし、見ない人は見ないので、全国5000人の地域おこし協力隊が何をしてるかなんて知ったこっちゃないんだよなぁ。だって同じ市でやってる人たちが、今どんな目標でどんなことしてるかぐらいのことも分からないのですから!
だから、参加したみなさんも、概ねやってよかった&これから各地域を巡る形でミーティングしましょう!と言う感想でよかったと思います。
担当の方が来てくださったおかげで、いつもなら、「後で地域振興課に確認してみよう」となる話が、すっ、すっ、っと解決し、対面できる空間素晴らしいなと思いました。
てゆうか今まで無かったの謎ですよね・・・・・・すごく謎・・・・
あいにく、西日本豪雨の影響で中止になってしまった今年のはかた夏まつりでは、協力隊ブースで似顔絵屋さんやりたい!と勝手に盛り上がっていたので、どっかで似顔絵屋さんしたいーーー!と思ってます。まあまた色々やりすぎて首を締めるハメになりそうなので暇ができたら・・・・
やってみると、少しづつ・・・
乱暴な雨が降り続いて、夜が明けたら大変なことになっていた先週末。
実をいうと、協力隊になってから今までの中でも私的に結構しんどい1週間でした。被災した人もいるのに本当におこがましく失礼な話だと思いながら・・・そう思うがゆえに、安易に辛い気持ちを外に出してはいけない、というセーブで、少し混乱してしまっていました。
ウジウジしている間に、知り合いの協力隊の人たちが土砂撤去や瓦礫の分別作業を頑張っていることを知って、ますますちんけな自分が嫌になったりもして。本当に何もかもがダメな私でした・・・
この土日にボランティア作業に参加してきましたが、これはこの1週間の私へのけじめというか、本当に個人的な動機で、めちゃくちゃ格好悪いことなんです。
「偉いね」って声をかけてくれた方もいたんですけど、私はこのたった2日のボランティアに出なかったらもっとダメになってたかもしれないと思ってます。
こうでもしないと自分の中の問題に折り合いがつけられなかったんだし。
でも、行って本当によかった・・・。
色々感じたことはあるんですけど、ちょっとやったくらいで偉そうに書けないので控えます。
地元出身の若い大学生の男の子たちが、地元に帰ってきて「この3連休はボランティアに徹します!」と言っていたり、今治だけでなく埼玉や沖縄から参加している人がいたり、こういう災害を自分ごと化して頑張れる人たちにすごく感化されました。
まだまだ時間はかかると思いますが、私は私で自分の中で納得のいく動きをしていくしかないと思います。
プライベートでもついてないことが重なりましたが、週末ちょっと楽しいこともあったので、また頑張ろうって、気持ちは前向きです。
7月、めっちゃ主張しますやん。
こんにちは。
ついに7月に入って、我が家では、「どこまでクーラー使わないでおれるんや!」選手権を1人で開催しております。
暑い~すごく暑い~~・・・7月に入ったとたんに「おっす!オラ夏っ!」ってぐらい威勢がいい。主張が強い。
実家にも昔からクーラーが無く、夏場には「何でうちにはクーラーないのぉぉおおーーーー!!!!」と絶叫しながら扇風機と抱き合っていたおかげなのか何なのか、クーラー慣れしている人よりかは、多少は暑さにタフな気がしています。
ただ、「夏が待ってるから春が嫌い」と、春をも巻き添えにしてしまう程の夏嫌い。
汗っかきで日焼けしやすい私がソフトテニス部だった頃なんて、顔面がテンパリングしたチョコレートみたいに黒光りしていたんですよ。本当に。
でも、夏は夏で、なんとなくウキウキする私もいるんです。夏休み前みたいな気分で。
まず、茄子がおいしいでしょ。
みょうががおいしいでしょ。
素麺がおいしいでしょ。
あ、この前協力隊OBの川崎さんがやってる「みやくぼ島のダイニング」でランチしていたら、デザート(サービス!)に店の隣になっているびわに、ミントシロップをかけた涼しげな一皿を頂きました。
ということでフルーツもおいしいでしょ。(少しは夏バテしてくれ)
ちょっと前は、新たまねぎと新じゃが。今はインゲン、きゅうり。今日はレタスをもらいました。いただく野菜は、旬を教えてくれますね。自分で作ったら、もっと四季が楽しいだろうに。
そうそう、ツイッターをチロチロみていたら、作家の山崎ナオコーラさんが面白いコラムを書いておられました。
個人的に、青天の霹靂。自分に今必要なものは何かわかってきたような気がしました。
「自分を自分でコントロールできている」という実感が、人に自身をつける、という内容だったのですが、私はダイエットも、ブログも、趣味も長続きしないし、一日の中で「これだけは決まってこの時間にする」という取り決めもなく、何かを続けることも禁じることも今まで成功した試しがないのです。ぜーんぶ、気の赴くまま。私の大きな弱点であることに、これを読んで改めて気づいてしまいました・・・・
プロボクサーの井岡が「俺はこんだけ練習してるんやぞ!っていうんが自信になるんです」と昔テレビで言っていたのを思い出しました。
確かにそうだ。誰にだってそういう経験はあるはず。
それを、自分の生活の枠の中で実践していくことは、井岡の激しいトレーニングに比べたら屁でもないっていうのに。どうしようかな。
協力隊卒業後のことも含めて、自分の課題が見えてきた有吉です。
※「万引き家族」を見て震えている私を見てください
この前、万引き家族を観ました。
わざわざ今治まで行っての興奮の1番スクリーン(1番でかい)だったというのに、すぐ前に座っている70代くらいの夫婦が、上映中、無言の瞬間なんて一度もなかったのではないかというレベルで喋り続けていた2時間を過ごし、激しい消化不良を起こすハメに・・・。
悩んだ挙句、また今治まで足を運び、心穏やかな2時間を過ごしまして、最近はこの映画のことを噛みしめるように考えている日々です。
映画好きといえば、本当に好きだけど、ちまたで傑作とか名作とか呼ばれている映画を全然観ていないのでそこは控えめな私ですが、是枝監督作品にだけは「はい!はい!好き!はい!好き!」と威勢がいいです。めっちゃ好きです。
「好きとか愛してるじゃ伝わらないほどの想い〜♪」みたいなしゃらくせえポップソングに生まれて初めて共感するぐらい、人生をかけて追っかけている人、追っかけ続けるであろう人が私にとっては是枝さんなので私は万引き家族についてもいろいろ語りたいんですけど、長くなるに決まっているので、飽きたら早めに読むのやめてくださいね。笑
私は、映画の中の細かい細かいところが好きでたまらないので、私はそういう言葉や仕草や画に映り込むものをとり逃したくないという思いで、新作が出るたび、映画館で血眼になって観ているヤバい人です。ので、1回目にお喋りな夫婦が前に座った時は、絶望しかなかった・・・
とはいえ元々集中力は圧倒的にないので、「上映中はお静かに!」と、上映前にパンパカパンツくんがわざわざ言ってくれていたことを、今一度前列の夫婦に投げかけるかどうか・・・気の小さい私が悩めば悩むほど、映画は大事なシーンへと進んでいくし、もう最後の方は、全てを諦めて、「また日を改めて観にこよう」という決意を固めていた次第です。
でも、その夫婦もなんだか憎めなくて、ちゃんと2人で映画の内容についていくために「あ、ここさっきの場所よ。ほら、駄菓子屋さん」とか「え???」「捕まった?」「あ、あ〜、捕まっちゃった〜あ〜」みたいな調子で状況を確認し合っていたので、終わった後も妙に怒る気になれず。
しかもエンドロールで、「ハッピーエンドじゃなかったねぇ」と言うので、音楽が細野晴臣であることへの皮肉も効いているな、と関心しちゃう。(多分本人たちはそういうつもりじゃないだろーけど)
2回目を観た後、監督インタビューや対談、いろんな人の評論とか番組をyoutubeであさってるのですが、本当に是枝さんの佇まいや喋り方が映画と同じくらい好きなので、映画が注目されて、監督の露出が増えることは嬉しいです。(特に想田和弘監督との対談が大好きです)
インタビューなんかで「神の目線にならないようにしている」と言うだけあって、いつも映画は「そして日々は続く・・・」というような感じ。監督が神であれば、この小悪党家族にも世間が期待する綺麗なハッピーエンドは作れたかもしれないし、もう少しまともなキャラクターにできたかもしれないけれど、それはしない。
いつも「この人ならどうする?」と自分に問いかけて、疑い続けて映画を撮るのだそう。だから映画を観ながら、すごい意地悪だな〜と思うし、はちゃめちゃに優しいな〜とも思うのです。とにかく世界を見る目が誠実だから。
あれだけのオリジナルストーリーをさ、脚本にして、監督をして編集をして、それがカンヌで最高賞を撮っても全然いつも通りな感じでさ、すごく謙虚で控え目でさ。素敵なおじさんだよね・・・
私だったら「イエーーーーイ!」ってガニ股ピースしちゃうよ。(無意味すぎるタラレバ論)
お分かりのように、私は是枝監督が宗教を拓いたら、怪しい教団でも入ってしまうのではないかと言うくらい心酔しているんですけど、もちろん監督だけの問題じゃなくて、映画を見るたびに、「その道のプロフェッショナルが結集して本気の仕事をしている!!!」という、仕事論みたいなものを突きつけられて有吉はガクガクしてしまうのです。あまりにも自分がチンケでくだらないので悲しくなることさえある。すごいある・・・泣
「万引き家族」だったら、撮影の近藤龍人さんとか。是枝作品では初だけど、「桐島、部活やめるってよ」とか「そこのみにて光輝く」とか「横道世之介」だとか、私が好きな映画の撮影たくさんしている人で、メイキング見てたら、この映画でも監督が思いもよらなかった、長尺のワンカットでの撮影を提案して見事な画を作ったという話でした。このメイキング、1回目を見終わった後に見ていたので、2回目で「ここかーーー!スゲーーーー!」と感動。
あと、あの家があまりにも汚くて最高なので気になっていたら、これも美術の三ツ松けいこさんという人が監督の指示を正確に再現したセットを作っているのだそうです。あのセット本当に美術作品として素晴らしすぎる。実在感があるのに異常、異様。それがすごく映画世界に上手に溶け込んでいました。いいな〜あんな仕事、やってみたいな〜・・・なんて。
当たり前だけど、毎回俳優がすごいです。
最近は監督とほとんどニコイチになっている樹木希林だけど、凄まじかった。脚本を読んで「入れ歯をやめる」と自分で志願したのだそうで、序盤のみかんの食べ方とか、ほぼホラーでした。今までで一番マッドババア!最高ーーー!
個人的に、海で自分の足をさすりながら「うわぁ、すごいシミ・・・」とつぶやくシーンが、うちのおばあさんを思い出すので好きだな。これもさ、すっごい小さなことなんだけど。こんなこと言ってたらキリないんだけど。(もう収集つかなくなっているのはバレているぞ)
だって安藤サクラも、リリーさんも、松岡茉優ちゃん(同じ平成6年生まれとか勘弁してくれよな)も、毎回ながら子役たちも、本当にすごくて、あの家族の全員が私と接触していないだけで同じ地球の同じ面で息をしている人たちに思える。
思っていたよりエグいことしてる家族で驚いたけど、めちゃくちゃチャーミングで心を掴まれました。
そして、映画のテーマ的なことなんだけど、
あの家族は、褒められたもんじゃないけど、じゃああの人たちをはみ出し者にしてバラバラにする社会は褒められるのか?っていうことだと思うんです。
私の祖父母世代には、訳あって養子に出された兄弟がいたとか、そんな話はよく聞きます。うちの祖母の妹もそうであったように。
もっといえば、私は江戸時代の町民文化が好きなので、落語に出てくる人情話や、長屋の話は、家族というものがもっと社会に開かれていて、家族とその他が、なだらかにつながっているような感じがします。
別にそういう文化が復刻すべきだ!とは思わないけれど、戦後、核家族になって、家族と家族以外の線引きがどんどん太くなっていって、日本人だ韓国人だっていう無意味な線引きにこだわったり、「他者」に対するアンタッチャブル感が増幅していってるような気がします。所詮家族なんて、それぞれの役まわりを演じているにすぎない集団なのに、私たちがどうしても「血」にこだわってしまうのはなぜか?
この映画の家族は、お金もないし、教養もないし、仕事もないし、ないものばかりだけど、「困っていれば誰でも歓迎」という今の社会では稀有な生き方ができる人たちなんですよね。そのおおらかさが「正義」によって打ち壊されていくのを見て、私は何を感じるべきか。
映画を見終わった後に、一週間もあの家族のことを考えてしまうのは、作り手がこのグレーな題材について真摯に向かっているということだと思います。
法やルール、規則とかいう「正しさ」を中心に、そのものさしで物事を測ることに慣れてしまえば、人間の多様な面白さを抹殺していくことになるんじゃないか。ちょうど、こんな時世なので、私はこんな風に感じました。
これだけ、私をウザいおしゃべり女にしてしまう是枝監督・・・罪な男だわ・・・(こりゃ有吉モテないね)
オールタイムベストは今作ではないんだけども、いろんな人が観て、いろんな切り口があって、いろいろ語れる映画だな、と思います。もちろん私のように、1人で悶々と映画のことを考えて、ツイッターの裏アカで夜な夜なつぶやいているだけの気持ち悪いんのもいますけども。
あー・・・・やっぱりこの話でブログ書くの疲れました。(勝手にやってろよ)
とにかく美しかったです。みなさん観たらいいと思います。
そしてお話してください。
最後まで読んでくれた人、多分いないと思いますけどありがとう。
そしておやすみなさい。