伯方島まにまに日記

愛媛県伯方島に移住した25歳女の日々のおしゃべりです。

7月、めっちゃ主張しますやん。

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こんにちは。

 

ついに7月に入って、我が家では、「どこまでクーラー使わないでおれるんや!」選手権を1人で開催しております。

暑い~すごく暑い~~・・・7月に入ったとたんに「おっす!オラ夏っ!」ってぐらい威勢がいい。主張が強い。

実家にも昔からクーラーが無く、夏場には「何でうちにはクーラーないのぉぉおおーーーー!!!!」と絶叫しながら扇風機と抱き合っていたおかげなのか何なのか、クーラー慣れしている人よりかは、多少は暑さにタフな気がしています。

ただ、「夏が待ってるから春が嫌い」と、春をも巻き添えにしてしまう程の夏嫌い。

汗っかきで日焼けしやすい私がソフトテニス部だった頃なんて、顔面がテンパリングしたチョコレートみたいに黒光りしていたんですよ。本当に。

 

でも、夏は夏で、なんとなくウキウキする私もいるんです。夏休み前みたいな気分で。

まず、茄子がおいしいでしょ。

みょうががおいしいでしょ。

素麺がおいしいでしょ。

あ、この前協力隊OBの川崎さんがやってる「みやくぼ島のダイニング」でランチしていたら、デザート(サービス!)に店の隣になっているびわに、ミントシロップをかけた涼しげな一皿を頂きました。

ということでフルーツもおいしいでしょ。(少しは夏バテしてくれ)

 

ちょっと前は、新たまねぎと新じゃが。今はインゲン、きゅうり。今日はレタスをもらいました。いただく野菜は、旬を教えてくれますね。自分で作ったら、もっと四季が楽しいだろうに。

 

そうそう、ツイッターをチロチロみていたら、作家の山崎ナオコーラさんが面白いコラムを書いておられました。

自信を持つには | よみもの.com

個人的に、青天の霹靂。自分に今必要なものは何かわかってきたような気がしました。

 

「自分を自分でコントロールできている」という実感が、人に自身をつける、という内容だったのですが、私はダイエットも、ブログも、趣味も長続きしないし、一日の中で「これだけは決まってこの時間にする」という取り決めもなく、何かを続けることも禁じることも今まで成功した試しがないのです。ぜーんぶ、気の赴くまま。私の大きな弱点であることに、これを読んで改めて気づいてしまいました・・・・

 

プロボクサーの井岡が「俺はこんだけ練習してるんやぞ!っていうんが自信になるんです」と昔テレビで言っていたのを思い出しました。

確かにそうだ。誰にだってそういう経験はあるはず。

それを、自分の生活の枠の中で実践していくことは、井岡の激しいトレーニングに比べたら屁でもないっていうのに。どうしようかな。

 

協力隊卒業後のことも含めて、自分の課題が見えてきた有吉です。

※「万引き家族」を見て震えている私を見てください

この前、万引き家族を観ました。

 

わざわざ今治まで行っての興奮の1番スクリーン(1番でかい)だったというのに、すぐ前に座っている70代くらいの夫婦が、上映中、無言の瞬間なんて一度もなかったのではないかというレベルで喋り続けていた2時間を過ごし、激しい消化不良を起こすハメに・・・。

悩んだ挙句、また今治まで足を運び、心穏やかな2時間を過ごしまして、最近はこの映画のことを噛みしめるように考えている日々です。

 

映画好きといえば、本当に好きだけど、ちまたで傑作とか名作とか呼ばれている映画を全然観ていないのでそこは控えめな私ですが、是枝監督作品にだけは「はい!はい!好き!はい!好き!」と威勢がいいです。めっちゃ好きです。

 

「好きとか愛してるじゃ伝わらないほどの想い〜♪」みたいなしゃらくせえポップソングに生まれて初めて共感するぐらい、人生をかけて追っかけている人、追っかけ続けるであろう人が私にとっては是枝さんなので私は万引き家族についてもいろいろ語りたいんですけど、長くなるに決まっているので、飽きたら早めに読むのやめてくださいね。笑

 

私は、映画の中の細かい細かいところが好きでたまらないので、私はそういう言葉や仕草や画に映り込むものをとり逃したくないという思いで、新作が出るたび、映画館で血眼になって観ているヤバい人です。ので、1回目にお喋りな夫婦が前に座った時は、絶望しかなかった・・・

とはいえ元々集中力は圧倒的にないので、「上映中はお静かに!」と、上映前にパンパカパンツくんがわざわざ言ってくれていたことを、今一度前列の夫婦に投げかけるかどうか・・・気の小さい私が悩めば悩むほど、映画は大事なシーンへと進んでいくし、もう最後の方は、全てを諦めて、「また日を改めて観にこよう」という決意を固めていた次第です。

 

でも、その夫婦もなんだか憎めなくて、ちゃんと2人で映画の内容についていくために「あ、ここさっきの場所よ。ほら、駄菓子屋さん」とか「え???」「捕まった?」「あ、あ〜、捕まっちゃった〜あ〜」みたいな調子で状況を確認し合っていたので、終わった後も妙に怒る気になれず。

しかもエンドロールで、「ハッピーエンドじゃなかったねぇ」と言うので、音楽が細野晴臣であることへの皮肉も効いているな、と関心しちゃう。(多分本人たちはそういうつもりじゃないだろーけど)

 

2回目を観た後、監督インタビューや対談、いろんな人の評論とか番組をyoutubeであさってるのですが、本当に是枝さんの佇まいや喋り方が映画と同じくらい好きなので、映画が注目されて、監督の露出が増えることは嬉しいです。(特に想田和弘監督との対談が大好きです)

インタビューなんかで「神の目線にならないようにしている」と言うだけあって、いつも映画は「そして日々は続く・・・」というような感じ。監督が神であれば、この小悪党家族にも世間が期待する綺麗なハッピーエンドは作れたかもしれないし、もう少しまともなキャラクターにできたかもしれないけれど、それはしない。

いつも「この人ならどうする?」と自分に問いかけて、疑い続けて映画を撮るのだそう。だから映画を観ながら、すごい意地悪だな〜と思うし、はちゃめちゃに優しいな〜とも思うのです。とにかく世界を見る目が誠実だから。

 

あれだけのオリジナルストーリーをさ、脚本にして、監督をして編集をして、それがカンヌで最高賞を撮っても全然いつも通りな感じでさ、すごく謙虚で控え目でさ。素敵なおじさんだよね・・・

私だったら「イエーーーーイ!」ってガニ股ピースしちゃうよ。(無意味すぎるタラレバ論)

 

お分かりのように、私は是枝監督が宗教を拓いたら、怪しい教団でも入ってしまうのではないかと言うくらい心酔しているんですけど、もちろん監督だけの問題じゃなくて、映画を見るたびに、「その道のプロフェッショナルが結集して本気の仕事をしている!!!」という、仕事論みたいなものを突きつけられて有吉はガクガクしてしまうのです。あまりにも自分がチンケでくだらないので悲しくなることさえある。すごいある・・・泣

 

万引き家族」だったら、撮影の近藤龍人さんとか。是枝作品では初だけど、「桐島、部活やめるってよ」とか「そこのみにて光輝く」とか「横道世之介」だとか、私が好きな映画の撮影たくさんしている人で、メイキング見てたら、この映画でも監督が思いもよらなかった、長尺のワンカットでの撮影を提案して見事な画を作ったという話でした。このメイキング、1回目を見終わった後に見ていたので、2回目で「ここかーーー!スゲーーーー!」と感動。

あと、あの家があまりにも汚くて最高なので気になっていたら、これも美術の三ツ松けいこさんという人が監督の指示を正確に再現したセットを作っているのだそうです。あのセット本当に美術作品として素晴らしすぎる。実在感があるのに異常、異様。それがすごく映画世界に上手に溶け込んでいました。いいな〜あんな仕事、やってみたいな〜・・・なんて。

 

当たり前だけど、毎回俳優がすごいです。

最近は監督とほとんどニコイチになっている樹木希林だけど、凄まじかった。脚本を読んで「入れ歯をやめる」と自分で志願したのだそうで、序盤のみかんの食べ方とか、ほぼホラーでした。今までで一番マッドババア!最高ーーー!

 個人的に、海で自分の足をさすりながら「うわぁ、すごいシミ・・・」とつぶやくシーンが、うちのおばあさんを思い出すので好きだな。これもさ、すっごい小さなことなんだけど。こんなこと言ってたらキリないんだけど。(もう収集つかなくなっているのはバレているぞ)

 

だって安藤サクラも、リリーさんも、松岡茉優ちゃん(同じ平成6年生まれとか勘弁してくれよな)も、毎回ながら子役たちも、本当にすごくて、あの家族の全員が私と接触していないだけで同じ地球の同じ面で息をしている人たちに思える。

思っていたよりエグいことしてる家族で驚いたけど、めちゃくちゃチャーミングで心を掴まれました。

 

 

そして、映画のテーマ的なことなんだけど、

あの家族は、褒められたもんじゃないけど、じゃああの人たちをはみ出し者にしてバラバラにする社会は褒められるのか?っていうことだと思うんです。

私の祖父母世代には、訳あって養子に出された兄弟がいたとか、そんな話はよく聞きます。うちの祖母の妹もそうであったように。

もっといえば、私は江戸時代の町民文化が好きなので、落語に出てくる人情話や、長屋の話は、家族というものがもっと社会に開かれていて、家族とその他が、なだらかにつながっているような感じがします。

別にそういう文化が復刻すべきだ!とは思わないけれど、戦後、核家族になって、家族と家族以外の線引きがどんどん太くなっていって、日本人だ韓国人だっていう無意味な線引きにこだわったり、「他者」に対するアンタッチャブル感が増幅していってるような気がします。所詮家族なんて、それぞれの役まわりを演じているにすぎない集団なのに、私たちがどうしても「血」にこだわってしまうのはなぜか?

この映画の家族は、お金もないし、教養もないし、仕事もないし、ないものばかりだけど、「困っていれば誰でも歓迎」という今の社会では稀有な生き方ができる人たちなんですよね。そのおおらかさが「正義」によって打ち壊されていくのを見て、私は何を感じるべきか。

映画を見終わった後に、一週間もあの家族のことを考えてしまうのは、作り手がこのグレーな題材について真摯に向かっているということだと思います。

法やルール、規則とかいう「正しさ」を中心に、そのものさしで物事を測ることに慣れてしまえば、人間の多様な面白さを抹殺していくことになるんじゃないか。ちょうど、こんな時世なので、私はこんな風に感じました。

 

 

これだけ、私をウザいおしゃべり女にしてしまう是枝監督・・・罪な男だわ・・・(こりゃ有吉モテないね)

 

オールタイムベストは今作ではないんだけども、いろんな人が観て、いろんな切り口があって、いろいろ語れる映画だな、と思います。もちろん私のように、1人で悶々と映画のことを考えて、ツイッターの裏アカで夜な夜なつぶやいているだけの気持ち悪いんのもいますけども。

 

あー・・・・やっぱりこの話でブログ書くの疲れました。(勝手にやってろよ)

とにかく美しかったです。みなさん観たらいいと思います。

そしてお話してください。

 

最後まで読んでくれた人、多分いないと思いますけどありがとう。

 

そしておやすみなさい。

 

 

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ついに明日から!展覧会始まります。

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明日から大三島美術館にて、私の木版画作品20点(新作6点)の展示が始まります!

 

ここ2ヶ月ぐらい、あの広い展示室がぶぉ~っと頭に浮かんできては、端から自分の小さな作品を置いていくイメトレをしていたのですが、頭の中で完成するのはスカスカの寂しい展示風景・・・幾度となく絶望してたのもつかの間、いざ搬入してみると、「あれ?意外と展示室小さい・・・?(とはいえ広いのだけど)」と、自分の妄想の中で肥大化した展示室に笑いがこみ上げてきました。よかった~~場所埋まった~~~(めっちゃ古い作品だしてるけどな!)

 

この「ある風景 有吉かな子・木版画×現代日本画」という展覧会、あくまで収蔵品展なので、私はオマケ。展覧会タイトルがオマケ感ゼロなので、これが広報のお知らせに載ってからは「おい、あーちすと!」と声をかけられる始末です・・・ヤメテクレ・・・

私は、地域に入ると、「私これ作ったんですよ~!これ見てこれ見て!私の活動!」とか言わないので(概ね皆言わないよ)、私が芸大で木版画やってたとか、全然知らない人も多く、謎のヴェールに包まれた作品たちが、どんな風に島の人の目に映るのか、楽しみであり不安です。

 

大三島美術館は、壁がすごく黄ばんでいて、暗いのですが(死ぬほど失礼)、学芸員さんには、額も貸していただいて、とても親身なやり取りをしていただいて、すごく助かりました。展示にも満足しています。だって、地域おこし協力隊になって、展覧会に参加できるなんて思ってもいなかったし、お話を頂いたときは本当に嬉しかったんです。

伯方島を知ってもらうきっかけに、いい作品を作ってください」と後押ししてくださった今治市役所の懐の広さにも驚きでした。

さらに支所では、2階の空き部屋をまるまる貸してもらって、めちゃくちゃ制作しやすかった・・・。ロッカールームを制作室にしていた大学時代の肩身の狭さからは想像のできないのびのび制作室に加え、「仕事時間である」というシュッとする思いもあり、はかどるはかどる。研究室のWiFiでラップバトル見まくっていたあの頃が懐かしいよ。フハハ。

 

 

自分の作品については、まだまだ思うところありまくりで、作りながらも1年のブランクの重みをしかと感じさせられましたが、今後もちんけではあるけれど、かわいい木版画作品たちを作っていきたいな~って思いました。

やっぱり、昔の作品見ると、かわいいですものね~(しみじみ)

 

 

大三島美術館は月曜休館で、明日から9月8日までやっています。

猪骨ラーメンのすぐ近く!まるまどのパンをお土産に!木版画を見にきてくださいな~

 

しっちゃかめっちゃか・・・!

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 気持ちのいい気候と相反して、気持ちがどんよりしてしまう5月病は、なぜか普通の体調不良に姿を変えて私の元へやってきました。

伯方島に来て初めての発熱と病欠になんだかクラクラしちゃって、布団に入りながら天井をみつめて、「一人暮らしも6年目かぁ~」なんてボーっと考えていたわけです。

しんどい中、仕事に行ったら「どうせ日ごろの不摂生じゃろ」と笑われて、本当にイラッとしてしまったぐらい心身が疲弊。心を広く、穏やかに、瀬戸内の海を思い浮かべるのよ、私。と言い聞かせながら回復し、5月も終わりになりました。

今年は年間通して、色々なイベントに関わることになり、自分でやろうとしている事もあるので、その日程を予定帳に書き込んでいったら、みるみるページがめくれていって、来年のカレンダーが足りないやんけ・・・とゾッとしました。イベントこなしてたらまじで一年終わる。

当たりまえっちゃ当たり前田のクラッカーだけども(言いたいだけ)、・・・そうか、こういうものなのか、とイベントまみれな我が人生23年目を想って不安になったりしました。

私の倍以上のイベントをこなすGrianの良子さんには「そうよ。私はかれこれ4年ぐらいこんな生活よ」と諭され、もう「これでいいのだ!」とアホ毛ピンピン、バカボンのパパ状態です。

大丈夫かなぁ~

人に迷惑かけないようにだけ気をつけよう~

 

「真剣にやれよ!仕事じゃねえんだぞ!」とタモリの名言を反芻しながら歩みを進める2年目になりそうです。よろしくです。


去年一年でだいたいの島の年間イベントを経験しているので、その繰り返しを追っかけるだけというのもつまらない訳で、「何かもっと新しいことを、もっと新しいことを」と思っあっちこっち行っていたら、一週間の予定が習い事や趣味でてんやわんやになっていました。どうしよう・・・・(ますます自分の首をしめている)

 

まず、英会話。

これは本当に興味があることなので、がんばる。

多分このままのらりくらり暮らしバアサンになったときに、唯一後悔することがあるとしたら英語だよな~と、毎日考えているので。

この前は勇気を出して、愛媛のALTの女子会に参加させてもらいまして、めちゃくちゃ緊張したし、全然まともに喋れないけども、皆が何の話で盛り上がっているかくらいは分かったので、まずまず。分からない言葉がどういう意味かもっと聞けるようになりたいです。

彼女たちとスムーズに何でも話せるようになったら、どれだけ楽しいだろうか、と想像しながら家でも勉強しています。

(小2の時に「おかあさん、あと何年勉強すればいいの?」と泣きながら聞いたという伝説をもつ私がこんなことを言うようになったという時点で諸手を挙げて賞賛していただきたい)

 

 

そして一番新しく始めたのがフラダンス。笑

それまで全く興味が無かったんですが、誘われて行ってみると奥深い!楽しい!

まだ1回しか行ってないので、これからどうなっていくのか。

発表会に出ることになったら指をさして笑ってくれ。

 

 

最近は自転車まで買ったので、たまに支所まで乗っていったりもしてて。

坂の途中で中学生たちにびゅんびゅん抜かされながら「2度と自転車なんかのらねえかんな!ゼェゼェ」と思うのに、年々デブ化している私を心配した母から「乗りな」と圧力をかけられている手前、泣く泣く自転車に乗っています。

 

私みたいに自堕落でグータラな人間がこれだけ動いているということを母にも見て欲しい。見てから「かなちゃん、いつ痩せるの?」とか言って来なさいや!!!

 

というわけで

忙しく疲れているのは誰のせいなのかを整理していくと、全部有吉のせいという結論に至ります。


あ、6月はまた岩城島あじさい見に行きたいな~(またそうやって・・・)

 

 

 

 

地域おこし協力隊という選択

最近ブログを休みがち、というか、Facebookも休みがちですみません。

何をやっているのかといいますと、

6月から始ま(ってしまう)る、大三島美術館での木版画作品展の為の作品作りと、前年に引き続いた「はかた夏まつり」ポロシャツデザイン。あといつの間にか毎年恒例イベントになったふりをしているトライアスロンクールビズ用ポロシャツデザイン。

児童館のイベントたて看板や、劇の背景セット、その他もろもろ、お声のかかった場所へせこせこ出かけていっています。昨日は月一回のアートクラブで漂流物アクセサリー作りの先生(というたいそうなものではないですが)をしました。

めちゃめちゃ充実している!

有吉の協力隊活動史上で首位を争うリア充具合。

う~ん。これはヤバイ。

私のイメージでは、4,5,6月は支所の空き部屋(彼らはそこをアトリエと呼ぶ)にこもりっきりでガツガツ版画をやる予定だったんだけども、

男には、戦わなければならないときがあるように、地域おこし協力隊には、やはり外にでなければいけないときがあって、

去年、「来年もお願いします~!」とヘラヘラ言っていた仕事を、きちんと忘れずにトスしてくれる素晴らしい方々もいて、

ただただヤベェ・・・

6月なんてすぐそこなのに、もはや人に宣伝する気にもなれず、作家が「どんな展示になるんでしょうね。楽しみです。よだれでそう。」というテンションなので、ブログを書きたくてもなんとなくページを見れず、こんな風に精神的に焦っているという話になることうけあいだったので、もう全然ブログが・・・・書けなくて・・・・

 

(死ぬほど長い言い訳が終わりました)

 

 

さてと。もう書くことないな、と思いながらもなんか書こうかな。(ならやめてしまえ)

あ!そうそう!

この前、島に来たこともある大学の友達が、「ある地域の協力隊をちょっと考えている」という内容のLINEをくれて、「え!?まじで?ほんとに!?ほんとに!?!?」とすごくテンションがあがってしまいました。

だって全国研修とかで会えたら楽しそうだもの~~!

キャリアなしで地域おこし協力隊になるという選択が間違っているという人もいるけど、「都会ではたらくの、しんどそうでやだな」とか「リクルートスーツ着るのがやだな」と思う人(つまり私)とか、とにかく仕事より環境を大事にしたいという若い人(つまり私)が一定数いるのは至極当然のことであって、たとえば仕事を作るにしろ、どこかで働くにしろ、結婚するにしろ、好きな環境で暮らすにはどうすればいいのか、3年間も考えられるなんて素晴らしくないですか。というかそういう迷える若者のためにある仕事じゃないんですか。みたいな。

多額の奨学金も3年は滞納せず返せるし。笑

 

まあでも、諸手を挙げて「協力隊になったほうがいい!」と言えるほど単純じゃないこの仕事。受け入れ自治体によって体質も違うし、担当者や市役所とうまくいかない人もいれば、地域になじめない人もいたりすると聞きます。活動自体の自由度も、場所によって全然違うから、私からは

「まずは現地視察をお願いしてみたら?」という事だけ言っています。

JOINの中だけで決めるのは、それこそリスキーだな~と。私は説明会が決め手だったけど、その地域に確かなご縁があるのかないのか、直接話してみると分かったりするかもしれないです。

と、偉そうにアドバイスをしてしまいました・・・

 

あと、何が武器になるか、自分で確信的に分かっているものが1つでもあるといいですよね。その子で言えば、「若くて美人で染色ができてセンスがよくて友達が多くて性格がいい」。・・・・・お、多すぎ漣。

有吉の場合は「若い」。

以上!(潔い)

 

いや、違うな。若いことが褒められるって知ったのは協力隊になってからだから、やっぱりアートとか、そういうことになるんかな

就職の選択肢の中に協力隊が入っている人は、ちょっとでも参考にしてもらえれば。

 

私のブログは、結構ぶっちゃけ系なので、そういうの欲しい人にはいいかもです。

 

ただ、またしばらくブログに現れない可能性も大いにある。めちゃめちゃある。

6月の大三島美術館が目も当てられない空間にならぬよう(というか学芸員さんがすごくがんばってくださっているので!)、新作の制作頑張ります。

 

 

 

 

ありがとう!島ぐらし1年★

伯方島にきて一年が経ちました。

 

バックパックにぎちぎちに詰め込んだ荷物をしょって島にやってきた一年前から今日まで、意外なことに「寂しい」とか「孤独だな~」とか思ったことがありませんでした。

一人暮らしも5年になり、いい加減慣れてきたというのもあるのかもしれませんが、名前も知らなかった島に住み、地域おこし協力隊という未知の仕事について、新しい人間関係を一から築いていく中で、そう思わせてくれなかった島の人たちには、感謝しかありません!

 

今年度から、伯方島の協力隊は私一人になりますが、1年間耕してきた土と、集めた種を芽吹かせることができるように引き続き、この地でお世話になります。

 

ささやかに第2回を迎えた「島の小さな映画会」のほうも無事に終え、今までの「人生フルーツ」「カレーライスを一からつくる」という映画に奇しくも共通していたテーマ、『できることは自分でやってみること』をもっと実践していきたいな~と思う春うらら。

島に住んでいると、生きること(生活)の大前提に触れ、学ぶことができるんだな、と実感します。まだまだ軽くタッチしたくらいだけど。

 

今年度もがんばります。

伯方島にお魚の研究機関があるってご存知かしら??

さて、私はお魚が好きです。(唐突)

 

毎年夏に、父の実家がある京都の加悦町に帰ると、必ず海水浴に行って、シュノーケリングします。

イソギンチャクとフジツボいっぱいの岩場に小さい魚が集まっている様子が可愛くて、捕まえたりするわけでもなく、ただ見ているだけで幸せいっぱい・・・

 

海なし県出身者からすると、海は、眺めて癒され、潜って癒され、おまけに美味しいお魚に癒されるパラダイスです。ちなみに海で食べるカップヌードルとおにぎりも天才的なおいしさだと思います。

 

しかし、お魚は好きでも、種類となると未だに疎くて、魚の漢字も全然書けません。合宿で行った島根の自動車学校に「鰤岡(ブリオカ)さん」というとてつもなく忘れられない名前の教官がいたことから「ブリ」の漢字は覚えました。笑

ただでさえ魚の種類や名前知らんのに、キジハタのこと「あこう」って言ったり、べラのこと「ぎざみ」って言ったり、うわあああああ!って感じです。(嘘、そんなんなってないです)

まったくもって由々しき事態。

憧れの海の近くに住んでいながら、瀬戸内海の魚について、私は全然勉強していないじゃないか!!!!

 

ということで、前からずっと中に入ってみたいな~と思っていた、伯方島にある「瀬戸内海区水産研究所」、(通称:稚魚センター)の見学に行って来ました。(わーい)

市役所職員、自治会長さんらと楽しく勉強させていただきました。

 

さて、ここは国立の研究機関で、昭和36年から瀬戸内海の魚たちの研究を行っている由緒正しき場所です。

「栽培漁業」という育てる漁業を研究し、全国に広めています。

ちなみに、全国ではじめて真鯛の人工飼育に成功したのはここ!!!

かつて、なかなか食べられなかった真鯛が、昨今、食卓によく登場するようになったのはここでの長年の研究の賜物なのです。ここから真鯛養殖は広まっていったんですね~~~。(NHK教育テレビ風の語りでしゃべっています)

 

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これはオニオコゼという魚の赤ちゃん。かわいい。このホルマリン漬けほしい。

卵からかえってからの成長過程を記録しておくためのものだそうです。

今、水産研究所が力を入れて取り組んでいるものの1つが、このオニオコゼ

 

背中のトゲに毒があり、見た目も茶色くてブサイクなんだけどおいしくて、この辺の食文化と根深い関わりがある魚なのです。ここで育った元気な稚魚を、大三島漁協と協力して放流を行い、その分布や、成長の様子を集約しています。ちなみに稚魚たちには目印がついていて、背中のトゲの何本目が抜かれているかによって、平成何年に放流したカサゴかが分かるのだそう。(当たり前だけどかしこい)

 

オコゼは大三島でとくに重宝されてきた魚。大山祇神社の女神様は、あまり容姿が麗しいタイプではなく、美しいものには激しい嫉妬心を抱いてお怒りになる神さまだったのですが(人間味がとまらん)

島の人がオニオコゼを謙譲すると、「私より醜いものがいるなんて!」と大変喜んだのだそうです。それ以来大三島ではよく食べられるんですって!

もう失笑が止まらないオコゼ・・・。元気出せよな・・・。

 

長年の研究成果から、徐々にカサゴの生態や生育環境が分かってきたということで、これからどんどんオニオコゼが瀬戸内海で増えて、私たちの食卓にあがればいいな~と思います。じゅるり

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オニオコゼの稚魚。案内してくださった博士の太田さんは、生後何日目から背中のトゲに毒が生まれるのかを調べるために自分の指を刺させる実験をしたことがあるのだそう。探求する人の好奇心はある意味クレイジー。

 

日本近海の魚が水質汚染や、魚群探知機の一般化などからどんどん減っていっている昨今、この研究センターでは、研究員のみなさんが知恵とアイデアを絞り、トライ&エラーを繰り返しながら、瀬戸内海の海を豊かにするため頑張っておられます。

 素人からすると、魚の生態なんてだいたい知られているものだと勝手に思っていたし、卵から魚をかえしたり、稚魚を育てるのも、めだかや金魚を少し難しくしたぐらいかな~(舐めすぎ)と想像していたんですが、魚はまだまだ研究されていない、分からないことが多く、「何℃で生きられるのか」「何を食べるのか」、死んでしまったら「何がストレスだったのか」ひとつひとつ理由を探していく繰り返しなのだそうです。

 

例えば、カップルの親魚の水槽から流れてきた卵をろ過する網は、普通の網では卵を傷つけてしまいます。そこで、代わりにスーツの裏地を縫い合わせた手作りネットを使用しているというアイデア装置。「ここにある多くの装置は職員や研究員の手作りなんです。」とおっしゃっていました。最近は研究予算が減る一方なので、こういう工夫と努力も必要なんですって!(NHK教育テレビ風でしゃべっています(2回目))

 

 

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鯖の稚魚↑

 こういう水槽、ずっと見てられる・・・・

めっちゃ楽しい・・・・

 

  

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トラフグの水槽にて

「怒らせてみましょう」といって触ったとたん、この顔(笑)めっちゃ可愛いです!(目はキレてる)お腹のざらざらを触らせていただきました。

フグは肉食の魚なので、水槽に入れておくとお互いを食い殺してしまうそうで、養殖フグの尾びれがないのは、噛み千切られているからなんですって。こわ・・・

だから、ここの水槽は、流れるプールみたいな一方向への水流を作って抑制しています。あ~あ、なんだか巨大ふぐしゃぶに見えてきた。(肉食界の強者たる余裕)

 

ここは魚だけでなく、魚がエサにするプランクトンも徹底した管理のもと飼育しています。今だからこそ、魚に最適なプランクトンを与えることができますが、何をえさにしているのか分からない頃の先人たちの苦労たるや・・・・

 

50年前に未知だったことが、今は当たり前になっているというのは、どの分野にもあることですが、ここで行われている研究が、私たちの何代も後になって、日本の海を変えていくかもしれないと思うとワクワクします。目先の生活を守る仕事も大切だけど、自分が死んだ後のことをイメージしながらできる仕事というのはカッコいいと思います。私の地元は林業が盛んでしたが、林業もまた、今日植えた杉やヒノキが大きくなって、お金になるのは50年、60年後というスケールの仕事です。農業もまた、いい土を残せば次の世代が豊かになる仕事。プロフェッショナルの仕事というのはその位スケールが大きいものだと改めて思いました。

 

この海洋研究所では、申し込み手続きをすれば、こうして見学ができるそうです。

海の見方が少し変わってとても楽しい見学会でした!

研究員のみなさん、これからも頑張ってください~!

(小学生の社会見学レポートレベルの締め)